市場は増資を内容で仕分けすべし!増資=希薄化論は疑問

しっくりしない思いを禁じえない。企業が増資をすることで、発行済み株式数が増え、一株当たり利益(EPS)が希薄化する。ゆえ、株価は下がる。
そうした理屈を否定するつもりはないし、多くの有識者が、「日本の株式市場も国際的になった証」とする見方も分かる。
しかし私は、「時代遅れの金融ジャーナリスト」と面と向かって嘲笑われてもよい。こう一言、反論をしたい。

「日本経済が成長を遂げていた時期に、“増資企業は買い”とされたことも事実。新たな成長の糧として資金を調達する、という認識が先行したからだ。株式市場の大きな役割のひとつに、資金調達の場、という面がある。違いますか」と、である。
3月21日、証券取引等監視委員会は金融庁に対し、「中央三井アセット信託銀行に課徴金を課すよう勧告した」と発表した。
ことは、2010年夏の国際石油開発帝石(イナックス)の、約5400億円の公募増資に遡る。資産運用会社である中央三井アセット信託銀行のファンドマネージャー(FM)が、増資情報を事前に入手した(提供者とし、増資の共同主幹事・野村証券が問い沙汰されている)。増資は売り、という流れの中で、運用するファンドを通しイナックス株を売った。そして、思惑通りに値下がりすると反対売買(買い)を実行し、約1000数百億円の利益をファンドにもたらした。

FMが自己資金で儲けをポケットに入れたわけではない。従い、FMにはお咎めなし。がインサイダー取引が行われたという事実に、証券等監視委員会は金融庁に運用会社に対し、5万也の課徴金を課すことを勧告したというのである。
ではイナックスは、この増資資金をどう使ったのか!?

イナックスはいま、無資源国家・日本にあり、『エネルギー準メジャー級企業』の道を着実に歩んでいる。今年早々には、世界的規模のLNGガス田と高い評価を受けるイクシスガス田(豪州北西部沖)に、保有権益76%に相当する約1兆9000億円を投じる、と発表した。
エネルギーの川上(発掘・生産・販売)企業の序列は、「原油+天然ガス」の生産量を、日量当たりの原油量に換算して決められる。イナックスは「日量100万バレル」を目標に掲げ、走っている。日量100万バレルは現状で、世界8−9位のエネルギー企業(準メジャー級)となる。
その為には、資金がいるのである。

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